広島三育学院──ソアンプロジェクト
- 山口 大輝

- 4月1日
- 読了時間: 3分
「わたしたちが愛するのは、神がまずわたしたちを愛してくださったからです。」Ⅰヨハネ4章19節
映画『ペイ・フォワード』をご存じでしょうか。2000年に公開された作品で、主人公の中学生が「この世界を変えるにはどうすればいいか」という社会の授業の問いに対し、「誰かから受けた親切をその人に返すのではなく、別の三人に渡す」というアイデアを実践していく物語です。善意を連鎖させることで世界を変えようとするこの発想は、聖書の教えに通じるものがあると感じます。
広島三育学院と沖縄三育中では、2025年度にソアンプロジェクトとして100回以上の地域活動を実践しています。11月には、広島県内のある島で訪問看護を行う企業を訪問し、地域の高齢者を対象にした「おかず会」に参加させていただきました。地域の方々が笑顔で語り合い、自然に支え合う姿はとても印象的でした。

振り返りの時間に、ある生徒がこう語りました。「ボランティアで何かを与えることは、実はそれほど難しくないのかもしれない。本当に難しいのは、私たちがいなくなっても、その人たちが楽しそうに生きられる仕組みをつくることですね。そして教会って、そういう場所だったんですね。」
その言葉を聞いたとき、私は映画の“親切の連鎖”を思い出しました。しかし、この生徒の気づきは、それを一歩越えていました。善意を渡すだけでなく、人と人とが支え合い続ける「場」や「仕組み」をつくること。それは単なる親切ではなく、「贈与」の発想ではないかと思ったのです。
近内悠太氏はその著書『世界は贈与でできている』(ニューズピックス、2020)で、贈与は「与えること」から始まるのではなく、「すでに受け取っていると気づくこと」から始まると述べています。私たちは、すでに多くのものを受け取っている。その事実に気づいたとき、「だからこそ誰かに渡したい」という思いが生まれるのだといいます。
三育教育は、イエス・キリストの十字架によってすでに赦されている、という前提を土台としています。それは、無条件に与えられた贈与です。この恵みに気づくからこそ、「Do for Others」という生き方が自然に生まれます。
ソアンプロジェクトは、社会課題に向き合う実践であると同時に、子どもたちが「受け取っている者」であることに気づき、その恵みを社会へと循環させていく学びの場でもあります。そしてその循環の中心には、いつも「in Christ」という信仰の土台があります。これからもソアンプロジェクト、三育教育が育む循環を応援していただけますと幸いです。
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西日本教区新報 2026年春号の記事
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西日本教区理事会報告/教区長安息日訪問予定
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